2014年11月11日火曜日

外貨準備高とは:

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2014年11月11日15時59分 [ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=192545&servcode=300&sectcode=300

韓国の外貨準備高3637億ドル…心強いが費用も大きい

  世界経済の視界がぼやけている。
 主要国が通貨安、輸出増加、雇用拡大、内需活性化という自国経済の回復に没頭し、新興国の輸出の道は狭まり、金融市場の不安定性は拡大している。
 経済危機の兆候が表れるたびに支えになったのは「外貨準備高」だ。
 1997年と2008年の経済危機は、外貨が不足すると経済主導者がどれほど過酷な代価を支払うことになるのか学ぶ契機になった。
 当局者には当時のトラウマがまだ生々しく残っている。
 韓国が外貨準備高に執着し、敏感になるしかない理由だ。
 現在の韓国の外貨準備高は十分なのか。
 あまりにも多すぎるのではないのか。
 危機はもう来ないのだろうか。

  ◆海外に置いた国の非常用資金

   国際通貨基金(IMF)は外貨準備高を
 「通貨当局が海外で運用する、交換性があり、流動性が高い外貨資産」
と定義する。
 一言でいうと、
 政府と韓国銀行(韓銀)が経済非常事態に対応して備蓄しておいた外国貨幣で表示された資産
ということだ。

  外貨準備高に含まれる資産には
▼米ドル・ユーロ・日本円とともに国際的に広く通用する通貨建ての資産
▼国際金融市場で容易に現金化が可能な先進国の国債・政府債
▼国内企業および金融機関の海外法人などを除いた非居住者に対する外貨建て請求権
▼実物資産を除いた外貨建て金融資産(金・銀を含む)
--などがある。

  逆に言えば、輸出入や海外金融取引であまり使われていない通貨で表示された外貨資産は交換性が落ち、外貨準備高に含まれない。
 不動産や格付けが低い投資非適格債券のように現金化が難しい外貨資産は流動性が落ち、外貨準備高にならない。
 また、通貨当局(政府・中央銀行)でない市中金融機関や企業が国内外で保有する外貨資産も外貨準備高にならない。
 サムスン電子や現代自動車などグローバル企業が海外市場でドルを稼ぐからといって、外貨準備高が直ちに増えるわけではないということだ。
 韓国銀行(韓銀)グローバル協力チームのチョン・ウォンシク次長は
 「企業が稼いだ外貨は国内の外国為替市場に(ドル)供給を増加させ、為替レート変動の原因にはなるが、
 企業や都市銀行のドル建て資産にすぎず、外貨準備高ではない」
と説明した。

  外貨準備高は通貨当局が海外に預けておいた国家の非常用の資金だ。
 緊急事態が発生し、金融機関など経済主体が海外から外貨を借りることができず、対外決済が難しくなる場合に備える最後の砦(last resort)の機能をする。
 したがって外貨準備高が多いというのは、国家の支払い能力がそれだけあるということだ。
 また、外国為替市場で外貨が不足し、為替レートが急上昇する場合、市場の安定のために投入したりもする。
 ソン・テユン延世大経済学部教授は
 「外貨準備高が多ければ国家信任度を高め、
 民間企業および金融機関の海外資本調達費用を減らし、
 外国人投資を促進することになる」
と述べた。

  各国はIMF基準に基づき外貨準備高を毎月発表する。
 5日の韓銀の発表によると、韓国の外貨準備高は10月末現在3637億2000万ドルにのぼる。
 中国・日本・スイス・ロシア・台湾・ブラジル
に次いで世界7位だ。
 外貨準備高は昨年7月から13カ月連続で過去最高を更新したが、今年8月に減少に転じた。

  過去2、3年間に外貨準備高が大きく増えた理由は、韓国の経常黒字が増え、通貨当局が外為市場であふれるドルを買い入れたからだ。
 韓銀は発券力を動員するため、理論的に外貨を買い入れる資金の調達に限界がない。
 企画財政部は「外為市場安定用の国債(旧外平債)」を発行して確保した
 資金(韓国ウォン)でドルを買う。

  コ・ウォンホン韓銀国際総括チーム次長は
 「外貨準備高は月末にドルに換算して計算するので、表示通貨の為替レートによって変わる」
と話した。
 10月の外貨準備高が前月比で6億8000万ドル減少した理由は、ユーロ安と英ポンド安が作用した結果だ。

  構成内容別には
 国債・政府債のような有価証券が3321億8000万ドルと、91%以上
を占めている。
 外国銀行に預金形態で保有する資金は211億8000万ドル。
 実物資産の金は47億9000万ドルにすぎない。
 IMFが発行した特別引出権(SDR)とIMFポジションもそれぞれ33億6000万ドル、22億1000万ドルを保有している。 

◆長期債多くても現金化問題なし

  韓銀は外貨準備高の通貨別構成内容を毎年3月に発行する年次報告書を通じて年1回発表する。
 3月の発表によると、韓銀は昨年末基準でドル58.3%、その他の通貨41.7%を保有している。
 IMFが6月基準で公開した主要国中央銀行の外貨準備高構成であるドル60.7%、ユーロ24.2%と大差はない。
 韓銀の関係者は
 「中央銀行は外国為替市場の大手であるため、韓銀が特定通貨を売買する動きを公開すれば、外国為替市場の安定性を害する場合があり、通貨別構成内容を詳しく明らかにしない」
と説明した。

  韓銀は有価証券の長期債と短期債の比率も公開しない。
 外国為替運用戦略が他国に露出する恐れがあるからだ。
 一部では過度に長期債中心の外国為替投資は危険だと指摘する。
 急ぎの時に市場で売るのが難しいからだ。
 しかし韓銀外資運用院の関係者は
 「外貨資産は流動性が非常に大きいため、長期債でも市場に出せばすぐに売れる」
とし
 「長期債・短期債の保有量は収益率の観点で判断するが、流動性とは関係がない」
と話した。

  外貨準備高の適正水準について国際的に統一された基準はない。
 IMFや国際決済銀行(BIS)でも各国に共通で適用する適正外貨準備高の基準を提示しない。
 国ごとに経済の海外依存度、資本自由化レベル、地理的・政治的・社会的危険の程度が異なるからだ。

 ◆適正保有額、統一された基準はなく

  外貨準備高は多ければ多いほどよさそうだが、増えるほど費用がかかる。
 このために費用を最小化できる適正な外貨準備高規模を算定するのが重要だ。
 韓銀や企画財政部が外国為替市場で韓国ウォンを出してドルを買えば、市中に韓国ウォンが供給される。
 通貨が過度に供給されれば物価を刺激する恐れがあり、逆に回収するために韓銀は通貨安定証券(満期2年以内)を発行する。
 この通貨安定証券の利率が韓国が多く保有する外貨資産である米国国債の金利より高い。
 その金利の差ほど費用が発生する。
 韓銀が今年1-10月に発行した通貨安定証券は144兆4000億ウォン(年2.6%金利)で、利子だけでも3兆6000億ウォンにのぼる。
 一方、2010-2014年11月の間に流通した米国の国債2年物の金利は0.15-1.17%だった。

  通貨当局が収益率確保のために先進国の国債が安い時に買い、高い時に売る努力もするが、根本的に限界がある。
 特定通貨を過度に保有すれば為替差損が生じるおそれもある。
 外貨準備高1位(約4兆ドル)の中国の場合、
 為替差損だけで年間「745億ドル」にのぼる。
 『グローバル金融危機後の為替政策』の著者であるアン・ビョンチャン元韓銀国際局長は
 「新興国は国家信任度が先進国と比べて低く、自国通貨を決済通貨で使用できないため、外貨蓄積の必要性が高いのは事実」
とし
 「とはいえ外貨準備高の規模を決める時は、費用に対する効果と機会費用を計算し、危機を防止できる最小限のレベルで保有してこそ損失が小さい」
と述べた。

 (中央SUNDAY第400号)



wikipedia 
 外貨準備(がいかじゅんび、foreign reserve)とは、中央銀行あるいは中央政府等の金融当局が外貨を保持すること。
 保持している外貨の量を外貨準備高(がいかじゅんびだか)という。

概要
 金融当局は、対外債務の返済、輸入代金の決済のほか、自国通貨の為替レートの急変動を防ぎ貿易等の国際取引を円滑にするために、外貨準備を行なう。
 外貨準備は「国民経済の貯金」などとも呼ばれる。
 ただし、あくまで主目的は為替変動への準備であり、
 外貨準備高(外貨の蓄積)の大きさが対外資産高の大きさを表しているわけではない
ことには注意を要する。

 外貨準備高の適正水準については統一的な見解はないが、実務的には、
 「外貨準備保有高/輸入額」は輸入の3ヶ月分以上、
 「外貨準備保有高/短期債務残高」は1年分相当
がベンチマークとして使用されている[2]。

 外貨準備は為替制度に大きく左右される


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 保有順位
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2013年
1位  中国 3,880.37
2位  日本 1,266.85
3位  サウジアラビア 737.80
4位  スイス 536.24
5位  ロシア 509.69
6位  アメリカ 448.51
7位  ブラジル 358.82
8位  韓国 345.69

2012年
1位 中国 3,312,000
2位 日本 1,268,125
3位 ロシア 537,618
4位 スイス 531,275
5位 ブラジル 373,147
6位 韓国 326,968